負け犬の遠吠え

情けなくてもかっこ悪くてもこれが私 

土用干しの後ろ姿

今日は、これぞ夏本番っというカンカン照りだった🌞

 

久しぶりの休みの次男は実家へ泊まりに行き、旦那は仕事明け15時まで働く車展へ駆り出されているから、久しぶりに姪達とお出かけした。

 

ショッピングモールに涼みに行こうと車を走らせていると、対向車で旦那の車とすれ違う。

 

働く車展はどうした?と聞くと、中止になったよ、と。

 

そのまま、姪達と涼んでアイスを食べて

姪の推しのグッズなどを選んで買ったりして

楽しく過ごして帰宅すると、

旦那は梅を土用干ししていた。


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いつも口数は多くはないが、今日はいつにも増して淡々と梅を干している。

 

何かしら無理をしている気がして、

暑くて疲れたんじゃない?休めば?と言うと

 

『海に沈んでいる救助隊員を、朝発見して引き揚げた。』と、ポツリ。

 

昨日休みだった、彼は午前中救助訓練に参加した後、海へいってシュノーケリングをしていたらしい。

 

彼は、我が長男と同じ高校の野球部のひとつ上の先輩で、とにかくヤル気があって、日々鍛練を重ねて、旦那も、アイツはいい救助隊員になるぞと期待していた。

 

今日は出番なのに、職場に来ない。本人の電話に何度かけても出ない。今まで、無断欠勤などしたことがない事を不信に思った旦那は、彼の自宅に電話すると、昨日から帰ってないと彼の母親が応えたという。

 

ただ事ではないと、旦那は昨日、一緒に救助訓練に参加していた隊員へ連絡を入れた。

 

シュノーケルとフィンを買ったから、

海に練習しに行くと、同僚に話していたらしい。

 

彼は、水難救助隊に入るべく練習をしている最中に溺れてしまい、発見が遅くなり死亡という非常に残念な最期を迎えてしまった。

 

昨日まで一緒に働いていた後輩を、海から引き揚げた旦那の無力感はいかばかりか。

計り知れない。

 

淡々と梅を干している後ろ姿、

 

必死に堪えているような、悔しさと虚しさが

漂っている。

 

まだ22歳、これからいっぱい伸びしろがある

有望な男だった。本当に残念だ。。

 

旦那は小さな声で言った。